遺言事項

財産以外の遺言にしたがうべきか

父は会社のオーナー社長でしたが、先日亡くなりました。

その遺言に

「私が死亡したら、1年間は○男が社長をやれ」

「取締役をAからBに交替させよ」

「取引先Cは大事にしろ」などと記載されていました。

法的な拘束力が認められないものについては、

相続人はしたがわなくてもよい。

解説 ~遺言書の記載は、どこまで有効か?~

遺言できる事項というのは、あらかじめ法律で定められていて、

それ以外の事項については記載しても法的拘束力はありません。

主な法定事項については以下に説明します。

 

1.相続分の指定及び分割方法の指定

遺言に記載される事項のほとんどは、どの財産を誰にどのように分け与えるかといった事項です。

たとえば、預金は○男に与えるとか、土地は○子に与えるといった具合です。

このような遺言は、遺産の分割方法の指定と共に、相続分の指定も伴っています。

 

2.遺贈

相続人以外の者は遺産分割協議に加われないですが、

遺言により相続人以外の者に遺産を分け与えることを遺贈と言います。

 

3.廃除

ずっと迷惑をかけられてきた子についての相続権を剥奪するために、

廃除を遺言で行うことができます。

 

4.遺言執行者の指定

遺言により、遺言の実現のために「遺言執行者」を選任することができます。

 

5.祭祀継承者の指定

先祖の墓(遺骨を含む)や仏壇などの「祭祀財産」の継承者を遺言で指定することができます。

 

6.子の認知

配偶者以外の者との間に生まれた子(非嫡出子)について、

遺言により認知をして相続権を与えることができます。

 

事例におけるような「私が死んだら、1年間は○男が社長をやれ」などとは、

被相続人の希望に過ぎないため、叶えてあげることが好ましいですが、

その通りにしなくても、法律上は問題ありません。

遺言の法定事項はさまざま

以上の法定事項のほかに、

「特別受益分の持ち戻しの免除」、「相続人相互の担保責任の指定」、

「遺贈に関する遺留分減殺方法の指定」、「寄付行為」、

「信託の設定」、「未成年後見人・後見監督人の指定」についても遺言で行うことができます。