香典

香典は遺産分割したくない

父が先日亡くなり、私が喪主となって葬儀を行いました。

そして、その葬儀の香典を葬儀費用の一部に組み込みましたが、

ほかの相続人から香典も遺産の一部なので分割せよと責められています。

こう対処せよ

まず香典は葬儀費用に充てて、

余剰があればそれは喪主に帰属すると主張する。

香典は遺産分割の対象となるのか?

葬儀に参列する場合には、香典を持っていきますが、香典がどういうものであるか、まして、

その法的性質を考えたことはあまりないかと思います。

 

香典とは、その字のごとく、「香」の代金のことを言います。

つまり、お金を支払うためこれによって故人に対する香を買ってください、というものです。

しかし、実際問題として香が何万円もするわけではありませんし、香典を受け取った遺族も、

香典をすべて香の代金として使っているわけではありません。

 

もともとは、お金ではなく、食物を親戚や近在の人々が持ち寄ってこれを皆で食したのが始まりだったようで、

これが段々と現金持参に変わっていったそうです。

つまり、葬儀は何かと物入りであるため、遺族の負担が加重にならないように、

相互扶助的に皆が物質的援助をしたというのが香典の起源です。

 

このように香典を、「葬儀費用についての遺族の負担を軽くすることを主な目的とするもの」とすると、

香典を持参した者の合理的意思にしたがい、香典は葬儀費用に充てられなければならない、

つまり喪主は香典を葬儀費用に充当する義務があるといえます。

ただ思いの外、香典が多く集まり、葬儀費用に充当してもなお余りがある場合には、遺産に組み戻す(相続人全員に

帰属する)か、喪主のものとする(葬儀を実際に執り行い時間・労力を費やしたため)かは、

考えの分かれるところです。

 

この場合は、相続人全員が協力して葬儀を行ったと評価できるような場合を除いては、

喪主に帰属すると考えて差し支えないのではないかと考えられます。

葬儀費用は香典関係も含んでいる

葬儀当日、あるいは葬儀も四十九日も終わった段階で、

品物(香典返し)を送ることはよく見られる慣習です。

香典返しは、香典を持参した人に対する喪主ないしは遺族からのお礼の意ですが、

香典とワンセットになっていると考えられるため、香典から香典返しの費用を差し引いた額が

結局は葬儀費用に充当されると考えなければなりません。