私の父が亡くなりましたが、
預貯金と不動産以外、何が遺産の対象となるのかわかりません。
他の相続人からは、
「お前の方から『○○はないのか』と質問してほしい」と言われています。
自動車、家具、貴金属、美術品など、
具体的に該当するものがないかを質問する。
通常、遺産分割で分けられるものとしては、預貯金、不動産が主なものとなりますが、
相続は一切の財産が対象となり、財産は預貯金、不動産に限られません。
たとえば、
動産としては、自動車、家具、貴金属、美術品など、
債権としては、借地権、借家権、貸金債権、売掛金債権、
有価証券、株式、出資持分権、死亡退職金、生命保険金など、
さらには、知的財産権としては、著作権、特許権などがあります。
また、参考として、相続税がかけられる「財産」については、
国税庁の通達に次のような規定が設けられています。
法に規定する「財産」とは、金銭に見積ることができる経済的価値のあるすべてのものをいうが、
なお次に留意する。
1.財産には、物権、債権及び無体財産権に限らず、信託受益権、電話加入権などが含まれること。
2.財産には、法律上の根拠を有しないものであっても経済的価値が認められているもの、
たとえば、営業権のようなものが含まれること。
3.質権、抵当権又は地役権(区分地上権に準ずる地役権を除く)のように従たる権利は、
主たる権利の価値を担保し、又は増加させるものであって、独立して財産を構成しないこと。
事例では、漠然と財産の存否を尋ねずに、
具体的に「○○はあるか」という具合に回答を求めることが重要です。
特に、動産類や一部の債権などは、登記がされているわけではないため、
一旦処分されてしまえば、通常はその追跡をすることが不可能となってしまいます。
民法上の「遺産」と、税法上で相続税が課せられる「財産」とは、必ずしも一致しません。
相続税の課税対象となる「財産」には、
「死亡退職金、被相続人が保険料を負担していた場合の死亡保険金」、
「被相続人から死亡前3年以内に贈与により取得した財産」も含まれます。