株式の相続と企業防衛

相続戦争から会社を守りたい

私は仲間3人と現在の会社を立ち上げ、株式も私が40%、

ほかの2人が30%と分散して所有していますが、

我々の誰かが亡くなったときに備えて何か対策をしておきたいのですが、

どうすればよいでしょうか。

こう対処せよ

相続人に対する売渡し請求を定款で定めるか、

取得条項付種類株式を導入する

事前に相続のときに会社が株式を取得する手段を定める方法はあるのか?

相続戦争から会社を守るには、以下の2つの方法があります。

 

①相続人に対する売渡し請求

現在の会社法制定以前の旧商法では、株式に譲渡制限をつけていた場合であっても、

相続などの場合には株式の移転を制限することはできませんでした。

そのため、相続によって、見ず知らずの相続人が株主となり、

会社経営を混乱させるなどのトラブルが生じることがしばしばありました。

 

現在の会社法では、定款に「相続などにより株式を取得した者に対し、

会社がその株式の売渡しを請求することができる」旨の規定を定めておけば、

相続人に対して会社は株式の売渡し(返還)を求められます。

ただし、この売渡し請求を行うためには次のような要件があることに注意が必要です。

 

(1)請求期限…売渡し請求権は、会社は相続などがあったことを知った日から1年以内に行使しなければなりません。

(2)売買価格…売買価格は当事者間の協議によりますが、協議不調の場合には、

   売渡し請求日から20日以内に限り裁判所に価格決定の申立てをすることができます。

 

 

②取得条項付種類株式

取得条項付種類株式とは、一定の事由が生じたことを条件として、

株主の同意なしに会社が強制的に取得できる条項が設けられている株式のことです。

一定の事由とは、「会社が定める日の到来」など客観的事由ですが、

この事由として「株主の死亡」を定めておけば、株主の死亡と同時に会社に株式が戻ってきます。

「取得条項付種類株式」で買い取り価格を決める

相続人に対する売渡し請求と取得条項付種類株式では、機能は同じですが、一番の違いは、

買い取り価格の決定権が会社にあるか否かです。取得条項付種類株式の場合には、

あらかじめ会社がいくらで買い取るかを定めておくことができます。

そのため、現在ある普通株式を取得条項付種類株式にするためには

株主の同意が必要とされています

(相続人に対する売渡し請求の場合には株主総会特別決議があれば導入可能)