損害賠償請求権の相続

交通事故死後に来た加害者が信用できない

父は先日、車にはねられ亡くなりました。

犯人は逮捕・勾留され、

保険会社が「○○円で示談したいがどうか」と事務的に連絡してきました。

私は金額についても、相手方の態度についても不満なので、

訴訟を起こしたいです。

こう対処せよ 

保険会社の主張を鵜呑みにせず、

父に代わって加害者に

損害賠償を請求する。

解説~父の損害賠償請求権は相続の対象となるのか?~

病気や老衰による死亡であっても、

肉親の死というものは悲しいものですが、

交通事故による場合には、天寿を全うした、とは考えられず

「事故さえなければ・・・」といった悲しみが深くなります。

 

交通事故でも死亡事故に至らずに傷害で済んだ場合には、

傷害を受けた被害者本人自らが加害者に対して、

その肉体的及び精神的損害について賠償を請求することが可能です。

しかし、被害者が死亡してしまった場合には、

当然ながら被害者本人がその損害を賠償することはできません。

かといって、

「傷害だったら賠償金を払わなければならないが、死亡だったら賠償金を払わなくて済む」

というのはいかにもおかしな話であり、

被害者の損害賠償請求権が相続され、

その相続人が被害者(被相続人)になり代わって、加害者に対して請求することが可能です。

 

損害として請求できるのは、

財産的損害としては、死亡による逸失利益(死亡しないで働き続ければ得られたであろう収入)などであり、

精神的損害としては、死亡慰謝料(死亡させられたことによる被害者自身の精神的苦痛)です。

 

事例では、保険会社の提示してきた金額が納得いかなかったとのことですが、

通常、保険会社が提示する金額は、裁判所で認める損害賠償額よりも低く設定されています。

これは、保険会社が損害金の支払いを「交渉」として捉えているからで、

低い金額でまとまれば会社の利益になると考えられているため、

まずは低い金額で提示してくるのです。

加害者側が主張する「過失相殺」とは

交通事故の損害賠償示談においては、

加害者側は、できるだけ払う金額を抑えるために、

「過失相殺」を主張してくることもしばしばです。

過失相殺とは、

自動車の運転者のみならず、

歩行者などにも不注意(飛び出し、信号無視など)があったため、

その分だけ損害賠償額から割り引くことをいいます。

たとえば、運転者と歩行者の過失割合が7対3だとすると、

3割分が本来の賠償額から減額されることになります。