農地特有の問題

農家をつがない兄弟に、農地は分けたくない

私の実家は農家ですが、長男の私が農業を継ぎ、

3人の弟妹はそれぞれ独立して農業とは無関係の仕事に就いています。

父が亡くなり、農家を継いだ私が農地を相続するのが当然なのに、

弟の1人が宅地にするつもりらしく、農地を分けろと主張してきています。

こう対処せよ

農地法の規制を説明したうえで、

ほかの相続人が相続した財産との間で不公平があるようなら

現金を支払うことによる解決も検討する。

農地の売却や転用は規制なく行えるか?

遺産に農地が含まれている場合には、農地法の規制に注意する必要があります。

 

農地法は、農地が農家でない者の手に渡って荒廃するなどの不都合を防止するため、

農地の売買や賃貸借を行う場合や、農地をほかの用途に変更する場合などに

行政の許可を得ることを義務付けています。

遺産分割に際して相続人が農地を相続する場合には、農地法の許可は不要です。

 

したがって、ほかの相続人が農地を相続することについては、特に問題はありません。

しかし、遺産分割後には農地法の規制がかるため、ほかの相続人が相続した農地を他人に売ろうとした場合や、

宅地に転用しようとした場合には、農業委員会の許可や都道府県知事などの転用許可を受けなくてはなりません。

また、農用地区域内の農地であればそもそも原則として転用は認められず、

都市計画法その他の法令の規制を受ける場合もあります。

 

事例では、次男が農地を一部相続したとしても、

その後宅地に転用することがスムーズに許可されるかどうかを検討してもらうことが必要です。

想定した土地活用ができないリスクを負いながら農地を相続するよりは、

現金をもらって宅地を買うほうが合理的かもしれません。

いずれにしろ、次男には市町村の農業委員会などで相談して充分検討するよう伝えます。

そして、農地をすべて相続した相続人との間で不公平が生じるようなら、

その分を現金などで支払うことも検討すべきです。

農地の売買は農地法上の許可を得てから行う

農地法上の許可を得ずに農地を売買した場合、

まず、売買契約の効果は許可がない限り発生しないと解されるため、

許可を得ないうちに農地の引渡しや代金支払いをしてしまうと争いのもとになります。

さらに、農地法上の罰則(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)も科せられるため

注意が必要です。