分割終了後の相続人の出現

急に名乗り出た相続人に遺産は渡したくない

父が亡くなり、母と私とで遺産分割をしました。

しかし、その後、父には愛人がいて、

父が認知した子どもがいることが判明しました。

そして、その愛人の子どもが今まで

何の経済的メリットも受けられなかったことを理由に、

今後値上がりが期待できる都心の一等地にある不動産を渡せと、

遺産分割のやり直しを要求してきています。

こう対処せよ

遺産分割のやり直しを否定して、金銭での解決を提案せよ。

後から判明した相続人をどう扱うべきか?

参加すべき相続人を除外して行った遺産分割は無効であり、もう一度やり直すことになります。

認知された愛人の子どもは非嫡出子として相続人となるべき者のため、

この者を入れて再び遺産分割することが必要です。

 

もっとも、相続開始後に認知によって相続人となった者が、ほかの共同相続人により分割、

その他の処分がなされた後に遺産分割を請求してきた場合には、

その相続分に応じた金銭を支払うことで解決します。

したがって、遺言で認知された者が遺産分割後に遺産分割を請求してきても、

遺産分割自体をやり直す必要はありません。

 

事例の場合、父が生前に認知していた場合は、参加すべき相続人を除外したとされ、

遺産分割をやり直すことになります。

しかし、遺言によって認知されているのであれば、遺産分割をやり直す必要はなく、

非嫡出子の相続分に応じた金銭、すなわち、

父の遺産の評価額の5分の1の金銭を支払うだけで遺産分割をやり直す必要はありません。

 

なお、事例のような問題は、被相続人の死後に認知の訴えが起こされて、それが認められたために、

あらたに被認知子が生じた場合にも起こりえます。
父が再婚の場合であれば、「ほかに子どもがいるのではないか?」と疑う余地もありますが、

愛人であれば、戸籍にはそもそも全く現れてこないため、

この手の問題はどの遺産分割にも常に潜んでいるのです

(もっとも「父が極めて品行方正で、絶対に浮気して愛人をつくったりしない」と

太鼓判をたたける場合を除いてですが)。

被認知子でも遺産の回復を請求できる

相続開始後の被認知子であっても、

被相続人に被認知子のほかに子やその代襲相続人がおらず、

直系尊属または兄弟姉妹が相続人として分割や処分により権利を得ていた場合には、

相続回復請求により遺産の回復を請求できると考えられています。

このような場合の直系尊属や兄弟姉妹は、

本来は、認知により相続権を有しなかったことになるからです。