行方不明者の財産

行方不明者の財産を処分したい

父が先日亡くなりました。相続人は子ども3人ですが、

末っ子は18の時に

ジャズトランペッターになるとアメリカに行ったっきり音信不通で、

遺産分割の話し合いができなくて困っています。

こう対処せよ 

不在者である末っ子の財産管理人を選任するか、

末っ子について失踪宣告を申し立てる。

解説 ~音信不通の相続人がいなくても遺産分割はできるのか? ~ 

まず、生きているはずであるが、

所在が分からない場合には、家庭裁判所に対して、

不在者のための財産管理人を選任するよう申し立てます。

この不在者のための財産管理人については、

申立人があらかじめ一定の者を財産管理人にするよう推薦候補者を立てて行い、

その中から裁判所が選任するという運用もありますが、

裁判所はその推薦候補者に拘束されることなく、

適切な者を裁判所の財産管理人登録名簿から選任することもできます。

どのような運用であるかは、あらかじめ、申し立てる裁判所の書記官に尋ねるとよいでしょう。

 

財産管理人が選任されれば、その人に不在者に代わって遺産分割協議に参加してもらい、

遺産分割協議書を作成することとなります。

遺産分割協議書とは、複数の相続人がいて遺産が共有となっている場合に、

各相続人の取捨する具体的財産を定める協議書です。

 

ちなみに、遺産分割とは不在者の財産(持分)を処分する重大な行為であり、

不在者が迷惑を被らないようにするために、裁判所に監督してもらう必要があります。

したがって、財産管理人が遺産分割を行うには、家庭裁判所の許可が必要です。

 

次に、そもそも生死が不明の場合は、行方不明から7年以上経過している場合には、

「失踪宣告」の手続をとります。

「失踪宣告」とは、不在者の生死が7年以上明らかでないときに、

その不在者は死亡したものとみなす制度を言います。

 

この失踪宣告がなされた者は死亡したとみなされるため、

この者は除外して遺産分割協議がなされることになります。

ただし、失踪宣告された者に子がいる場合には

その子が代襲相続をする権利を有することになるため、

子を遺産分割協議に参加させるようにしなければなりません。

失踪宣言は取り消すことができる

失踪宣告による死亡は、あくまで法律上そのように「みなす」だけのため、

実は本人が生きていたということもありえます。

失踪宣告を受けた者が生存していたことが証明されたときは、家庭裁判所に報告し、

失踪宣告の取り消しをしなければなりませんが、取り消しの前になされた遺産分割は有効なため、

その者の相続分相当の価額弁償をすることになります。