嫡出否認

前妻の子どもに遺産はあげたくない

死亡した父は離婚歴があり、母とは再婚です。

父は離婚後すぐ母と再婚したのですが、 その再婚後、

前の妻に子どもが生まれて、父が戸籍上の子どもの親となっています。

しかし、現実には、前の妻の交際相手の子どもです。

こう対処せよ

子どもが生まれたのを知ってから1年以内に死亡した場合には、

こちらから嫡出否認の訴えを提起する。

解説  ~子どもが生まれたのはいつなのか?~

離婚後300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定され、

妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定されます。

つまり、父の前妻が離婚後300日以内に出産した子は、たとえ出産の時点で父と離婚していても、

前妻と父の子と推定されるのです。これを「嫡出推定」と言います。

このように嫡出推定を受けてしまうと、何もしなければ父の子であることが確定してしまいます。

本当に父の子であれば問題ないですが、

たとえば、離婚前は仮面夫婦で前妻が別の男性と交際していた場合などがあります。

しかし、このような場合であっても、「嫡出を否認するためには、父が子の出生を知ったときから

1年以内に嫡出否認の訴えを提起しなければならない」とされています。

 

事例では、父は既に死亡していますが、「夫が子の出生を知ったときから1年以内に死亡した場合には、

その子のために相続権を害される者、その他夫の3親等内の血族は、嫡出否認の訴えを提起することができる」

とされています。

相続人はもちろん「その子のために相続権を害される者」ですから、

期間制限にひっかかっていないのであれば嫡出否認の訴えを起こすことが可能です。

この訴えでは、その前妻の交際相手が「自分が父である」と認めてくれるのであればともかく、そうでなければ、

訴えを起こした側で、子との間に血縁関係が存在しないことを証明しなければなりません。

相容れない血液型であるならば、父子関係がないことを証明することは簡単ですが、

そうでなければ、父と前妻で夫婦生活がなかったことなどを証明していく必要があります。

嫡出否認はわかった時点で行う 

嫡出否認の訴えは「子の出生を知ったときから1年以内」と、とても厳格な時間制限がありますが、

これを過ぎてしまったらどうなるのでしょうか?

そもそも離婚の前は別居していたので

夫婦生活が客観的に存在しなかったという事情があれば嫡出推定は働かず、

父子関係不存在確認の訴えをすることができます。