同時死亡の推定

夫と義父が同時に死亡して計算法がわからない

私の夫とその父は一緒に海外旅行に行きましたが、

現地で交通事故に遭い、共に亡くなってしまいました。

現地の警察や病院もいい加減で、

どちらが先に死亡したのか今ひとつはっきりしません。

こう対処せよ 

現地大使館を通じて情報収集するか、

自ら現地入りし、夫と義父の死亡の先後関係を明らかにする。

解説  ~死亡の先後が変われば、相続の仕方も変わるのか?~

交通事故に遭い「共に亡くなった」といっても様々なケースが考えられます。

本当に両者が即死してしまったケースもあれば、

一方は即死となって、もう一方が意識不明の重体のまま病院に運ばれて死亡するケースや、

双方とも病院に運ばれて順次死亡するケース、

あるいは一方が即死で他方は車の外に運び出された直後死亡するケースなどがあります。

 

そんなわずかな時間的先後などどうでもよい、と考えられるかも知れないですが、

わずかであっても、時間的先後が明らかになるのとならないのでは大きな違いがあります。

 

民法上は、「数人の者が死亡した場合において、そのうちの1人がほかの者の死亡後に、

なお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する」

(同時死亡の推定)とされていて、その両者間では相続は発生しません。

 

つまり、その場合には、同時に死亡したと推定される夫は、

父(妻にとって義理の父)の財産を相続することはできません。

 

一方、夫のほうが多少なりとも時間的に、その父よりも長く生きていたのあれば、

通常の相続として、妻の夫が義父の遺産を相続し、

そしてさらに、妻が夫の固有の遺産と義父から相続した遺産を相続することになります。

 

また、妻の夫のほうが先に死亡したことが明らかとなれば、

妻とならんで義母にも夫の遺産が相続されることになるのです

(実際には、義父に一旦、財産が相続され、義父が亡くなり、義母に財産が相続されるのですが)。

子どもがいる場合は

事例の場合で、夫婦間に子どもがいるケースでは、結論が異なります。

同時死亡の場合、妻にとっての義理の父は子にとって

義理でもなんでもなく、直系の祖父そのものです。

そのため、父に代わって祖父の財産を代襲相続することになります。

また、夫が先に死亡した場合、その財産は義父に相続されることなく、

子が父の財産を相続します。