内縁関係と相続

父の不倫相手を家から追い出したい

私の父は半年前にある若い女性と家を出て行ってしまい、

同居生活を始め、先日急逝しました。

その女性は、父名義で購入したマンションに住み続けたいと言っていますが

私達は、早々に出ていってもらいたいのですが…。

こう対処せよ

内縁関係が成立していないのであれば、

マンションに住み続ける根拠がない

と主張する。

解説 ~内縁関係が本当に成立しているのか~

 

相続において、内縁の妻の法的地位が問題となることは少なくありませんが、
同居生活をしたからといって
なんでもかんでも内縁関係が成立していると認められるわけではありません。

内縁の成立要件には、

「夫婦関係を成立せしめようとする合意」と
「夫婦共同生活の存在」
が必要です。

 

「夫婦関係を成立せしめようとする合意」というのは、
形式的な婚姻届がないにもかかわらず、
一緒に夫婦として生活を共にしていこうとする合意があれば足ります。

 

また、「夫婦共同生活の存在」とは、
実体的に夫婦として生活している事実関係が必要だという趣旨です。

 

なお、設問のように、
結婚しているにもかかわらず、勝手に家を出ていってしまった場合、
二重婚はできませんので、新たに婚姻届をだすことはできず、
法律上の夫婦になれるはずはないのですが、

だからといって、内縁が認められないというわけではありません。

 

設問では、半年という短い期間の同居生活なので
内縁関係が認められにくいとは思いますが、
必ずしもそうとは言い切れません。

 

当然、その女性は、将来結婚しようと思っていたと言うでしょうし、
「父」もマンションを買うなどしていたのですから、
本気で夫婦的生活をしようとしていたのでしょう。

 

このため、相談者の主張を通すには、

父と愛人の同居が短期間という事実のほかにも、
2人の夫婦生活を否定する材料を集めるようにしてください。  

例えば、2人が結婚するつもりはないと誰かに話していた事実や

家計の収支が別々であった事実等がこれに該当します。

もう一つの回答

内縁であるということになると、

マンションの所有権に基づいて女性に対して明け渡しを求めることが

権利の濫用とされてしまいます。

したがってその場合には、

当該マンションについての相当賃料を請求するか、

マンション自体を売却してしまうという手段を検討しましょう。